開催趣意

 

リンパ浮腫患者は、日本では10万人程度いると言われています。しかし、全国規模の本格的な疫学調査が行われていないため、潜在患者を含めると実際にはもっと多いことが想像できます。 

2016年からリンパ浮腫複合的治療料が新設され、リンパ浮腫に対して複合的治療を行う医療機関が増加することにより、リンパ浮腫に悩む患者が少なくなることが期待されています。しかし、まだまだリンパ浮腫治療に関わるセラピストが不足しているのが現状です。この背景には、リンパ浮腫治療に関する医療関連資格制度が分かっておらず、リンパ浮腫に対する知識や技術が不足しているセラピストが多いこと、また実際にリンパ浮腫に関する知識や技術を取得しても、リンパ浮腫治療は理学療法士1人で行うのではなく多職種で行うものあることから、どう他職種と連携をとったらいいか分からない、といったことが挙げられると思われます。さらに、リンパ浮腫に対しての教育を行っていくことで、リンパ浮腫治療を行う幅が広がってくると考えております。 

そこで本カンファレンスでは「リンパ浮腫治療における治療・連携・教育」をテーマに、教育講演としてリンパ浮腫治療に関っている医師及び管理栄養士から、理学療法士他職種とどう連携をとっていけばよいかをご教示いただき、リンパ浮腫治療における連携について学ぶ機会を得られればと思います。また、シンポジウムとして、リンパ浮腫治療を実際に行うには?制度・臨床の実際から教育までといったテーマで実際に理学療法士がどうリンパ浮腫に関わっていけばよいかをご教示いただきます。シンポジウムの講師はリンパ浮腫治療に関して第一線で活躍しており、是非活発なディスカッションができればと思います。 

実際にリンパ浮腫治療に関わっている療法士はもちろん、これからリンパ浮腫治療を行おうと思っている療法士、リンパ浮腫治療に興味を持っている療法士に対して多くの学びの場になればと思います。皆様の参加を心よりお待ちしております。 

 

日本がん・リンパ浮腫理学療法学会第5回リンパ浮腫理学療法カンファレンス 

学会長/実行委員長
黒岩澄志

  昭和大学保健医療学部
 理学療法学科